以前はどこのスーパーでもよく見かけたプリンスメロン。
プリンスメロンは一般家庭にメロンを広めた立役者なんですが、最近あまり見かけないですよね?
そこで、東京都中央卸売市場での取り扱い実績を見てみると、ここ20年でなんと約85%も減少していたんです!
今回はプリンスメロンを見かけなくなった理由について調べてみたので紹介します。
以前ほどプリンスメロンを売ってない理由とは?
私が子供の頃にはメロンと言えばプリンスメロンでしたが、最近すっかり見かけなくなってしまいました。
もともとメロンは、大正時代にアールスメロンが温室栽培されるようになりましたが、高級品だったので一般家庭で食べられることはほとんどありませんでした。
一般家庭では、それほど甘くないマクワウリが食べられていました。
でも、昭和30年代後半に西洋種のメロンと東洋種のマクワウリを掛け合わせたプリンスメロンが登場したことによって、メロンが一般家庭でも普通に食べられるようになったんです。
姿はどちらかというとマクワウリ寄りですが、味はしっかりメロン寄りです。
そんな庶民メロンの立役者、プリンスメロンの生産状況は大変なことになっていました。
以下、日本の代表的な卸売市場である東京都中央卸売市場の統計資料を見ていきます。
下のグラフは、東京都中央卸売市場におけるプリンスメロンの年別取扱実績をまとめたものです。平成14年以前のデータは掲載されていませんでした。
平成14年には1253tあった取扱量が令和3年には183tにまで減少しています。
特に平成14年から15年にかけては772tまで急激に減少しているので、気になって原因を探してみましたが、見つけることはできませんでした。
平成14年より前に何かあったのかもしれませんね。
グラフにはありませんが、メロン全体でも減少傾向にあり、平成14年の36,934tから令和3年の17,863tまで半減していますが、プリンスメロンの85%減は悲惨な状況と言えるでしょう。
これではスーパーなどで見かけなくなっても当然ですね。
プリンスメロンがここまで減少してしまった原因としては、ホームランメロンなどの新しい品種が登場したことや、アンデスメロンなどの網目があるメロンの価格が安くなったことが挙げられます。
東京都中央卸売市場における平成14年の平均価格はアンデスメロンが365円、プリンスメロンが363円、その他の年を見てもほとんど変わりません。
これなら網目があってメロンらしいアンデスメロンを買いますよね。
プリンスメロンはまずい?
プリンスメロンは確かに網目もなく小ぶりで安いので、美味しくないんじゃないかと思ってしまいますよね?
でも、味や香りはしっかりメロンで、果汁が多く糖度も16度くらいあるので甘味が強く美味しいですよ。
プリンスメロンが美味しくないという意見を聞くことがありますが、それは買ってきてすぐ、まだ熟す前に食べてしまっているからだと思われます。
確かに熟す前のメロンはプリンスメロンに限らず、果肉も硬めで果汁も甘味も少ないです。
買って来てすぐに食べるのではなく、しっかり追熟してから食べるようにしましょう。
次の章では、プリンスメロンの食べ頃の見分け方を紹介しますね。
プリンスメロンの食べ頃の見分け方は?どんなメロンを買えばいい?
プリンスメロンに限らず、メロンには追熟が必要です。
ここでは、美味しいプリンスメロンの選び方から食べ頃の見分け方を紹介します。
まず、お店でプリンスメロンを買う時には以下のポイントに注目して選びます。
- 形がきれいな球形
- 持つとずっしり重い
- 表面に張りがあり、傷が少ない
プリンスメロンを買って来たら、冷蔵庫ではなく室温で保存しましょう。
プリンスメロンに限らず、メロンは低温条件下では追熟が止まってしまうので、食べ頃になるまで室温で保存しましょう。
冷やして食べる場合は、ラップで包んでから2、3時間冷蔵庫で冷やせば美味しく食べられますよ。
さて、食べ頃の見分け方ですが、次の2点がポイントです。
- お尻の部分を指で押すと少し弾力がある
- 甘い香りが強くなる
食べ頃になったら2、3日以内に食べましょう。それ以上経つと熟れ過ぎてしまうので注意してくださいね。
プリンスメロンはどこで買える?
プリンスメロンが出回るのは4~6月で5月の出荷量が突出しています。
5月になっても近所のスーパーやフルーツ店などで見当たらない時は、諦めた方が良さそうです。
どうしても食べたい人は、amazonや楽天などのネット通販で探してみるのもいいでしょう。
メロンで喉がイガイガする理由やメロンの保存(追熟)方法が気になる人は、下の記事を読んでみて下さいね。
まとめ
今回はプリンスメロンがスーパーであまり売られなくなった理由や食べ頃の見分け方について紹介しました。
新しい品種や安い網目メロンに押されて、東京都中央卸売市場での取扱量はこの20年間で15%程度にまで減少してしまいました。
昭和30年代後半から約10年間、日本のメロン市場に君臨したプリンスメロン。
一般庶民にメロンを普及させた功績は偉大で、メロンの品種改良の火付け役としても大役を果たしました。
「老兵は死なず、ただ去り行くのみ」
プリンスメロンは役割を終えて、表舞台から消えようとしているところなのかも知れませんね。