さくらんぼって甘さが爽やかな上に一口サイズなので、ついつい口に放り込んで食べ過ぎてしまいますよね?
でも、さくらんぼの食べ過ぎは下痢や腹痛の原因になってしまうこともあるので注意が必要ですよ。
また、さくらんぼの種の中には猛毒の素が含まれているという話も・・・。
そこで今回は、さくらんぼを食べ過ぎるとどうして下痢になるのかや1日に何個くらいが適量なのか、またさくらんぼの種に含まれる毒について紹介します。
さくらんぼを食べ過ぎるとお腹を壊すは本当!
手ごろな大きさで、ついつい食べ過ぎてしまうさくらんぼですが、あまり多く食べるとお腹を壊す原因となります。
その1つ目の原因となるのは、さくらんぼに多く含まれているソルビトールという糖アルコールです。
糖アルコールとは、糖がアルコールとくっ付いた化合物で、アルコールとは違うので酔っぱらったりはしませんが、食べた時に、口の中にひんやりと清涼感が拡がるのが特徴です。
そのため、清涼感のある甘味料として食品添加物としてもよく使われていますよ。
有名な糖アルコールとしては、虫歯予防のキシリトールがありますね。
パッケージの成分表を見て、〇〇トールとあれば大抵は糖アルコールの1種ですよ。
話が逸れたので戻します。
このソルビトールは消化が悪いので小腸ではほとんど吸収されず、大腸の腸内細菌によって分解されるため、腸内細菌の動きが活発になって腸を刺激します。
またソルビトールは保水力が強いので、大腸での水分吸収を妨げる作用もあります。
これらのことから、ソルビトールを摂取し過ぎると下痢をしてしまうんですね。
ちなみに、ソルビトールが腸内で分解される時にガスが発生するので、おならが出やすくなる原因にもなりますよ。
お出かけ前にはさくらんぼは控えた方が良さそうですね。
2つ目の原因としては皮の食べ過ぎが考えられます。
果物の皮は果肉に比べて固く消化されにくいです。
さくらんぼは小さいので皮ごと食べますよね?
果実が小さいサクランボは、果肉に対しての皮の割合が大きくなります。
つまり、思っている以上に皮を多く食べてしまうんですね。
この2つの原因から、さくらんぼを食べ過ぎるとお腹を壊してしまうんです。
さくらんぼは一日に何個が適量?
さくらんぼを食べ過ぎるとお腹を壊してしまう原因が分かったところで、どれくらいの量なら食べても大丈夫なのでしょうか?
さくらんぼは、1日に男性は20粒程度、女性は30粒程度が適量です。
女性の方が多いのは不思議に思うかも知れませんが、その根拠を紹介しますね。
まず、さくらんぼに含まれるソルビトールの量は、論文によって差はありますがさくらんぼ100g当たり2.3~8gとされています。そこで、間を取って5gとしました。
次に、ソルビトールを一度に摂取した時にお腹が緩くならない最大量は、体重1㎏当たり男性:0.15g、女性:0.3gとされています。
(参考:東京都福祉保健局のホームページ)
これらのことと、さくらんぼが1粒6g程度であることから、体重を男性70㎏、女性55㎏とすると、それぞれ35粒(210g)、55粒(330g)となります。
これは最大値なので半量程度の、男性20粒、女性30粒が適量と言えでしょう。
正確な適量は以下の式で計算してみて下さいね。
あなたの適量(男性)=20粒×(あなたの体重)÷70㎏
あなたの適量(女性)=30粒×(あなたの体重)÷55㎏
さくらんぼの種を噛むのはNG?青酸カリが含まれている?
さくらんぼの種に毒があるって聞いたことはありませんか?
実はさくらんぼの種に含まれているアミグダリンという物質は、体内で消化分解されると青酸(シアン化合物)という毒性の強い物質に変化するんです。
このシアン化合物の1つには、猛毒で知られる青酸カリがあります。
こんなことを知ってしまうと、サクランボを食べるのが怖くなってしまいますよね?
でも、安心してください。
このアミグダリンは、種子が若い時には多く含まれていますが、成長するにつれて減少していき、成熟した種子にはほとんど含まれなくなっていますよ。
なので、スーパーで買ってきたような成熟したサクランボには、アミグダリンはほとんど含まれていないと考えられます。
また、さくらんぼは丸ごと食べると言っても、種は出すことがほとんどですよね?
そういった意味でも全く問題ありません。
万が一、種を飲み込んでしまっても、種は消化されずにそのまま排泄されるのが普通です。
種を嚙み砕いて大量に食べるなら話は変わりますが、間違えて丸のみしてしまったとしても気にすることはありませんよ。
小さい子供が1つ2つ間違って飲み込んでしまっても安心してくださいね。
ちなみに、アミグダリンは桃やびわ、梅などの未成熟な果実や種にも含まれています。
よく青梅(未熟な梅)を食べると危ないと言われているのは、このためです。
サクランボで致死量になるにはどれくらい?
さくらんぼの種を多少飲み込んでしまっても問題ないと紹介しましたが、実際にどれくらい食べると危険なのでしょうか?
日本食品分析センターによると、青酸カリの経口致死量は0.15~0.3gとなっています。
これはアミグダリンにして1.1~2.1gに相当します。
致死量に達する具体的な種の数については不明ですが、成熟したサクランボの種にアミグダリンはほとんど含まれていないことを考えると、かなり大量に食べない限りは致死量には到達しないと考えられます。
でも、健康を害する恐れがあることがわかっているのに、わざわざ種を食べて身を危険にさらす必要もないので、種は食べずに(噛まずに)捨てましょう。
まとめ
今回は、さくらんぼを食べ過ぎるとお腹を壊す原因や1日の適量などについて紹介しました。
消化が悪く保水力が高いソルビトールが多く含まれていること、消化の悪い果皮をいっぱい食べてしまうこと、この2点がさくらんぼを食べ過ぎると下痢をしやすい原因です。
1日に食べるサクランボは、男性では20粒、女性では30粒程度にしておきましょう。
また、種には青酸化合物の素になるアミグダリンが含まれていますが、極微量なため間違って飲み込んでしまった程度では問題ありませんよ。