梅干しを作る時に意外と面倒なのが「土用干し」を呼ばれる干す作業です。
しかし、この工程があるからこその「梅干し」です。
では、梅干しは何のために干すんでしょうか?干さないと一体どうなるんでしょうか?
今回は、梅干を干す目的や干さない場合の作り方、また梅が青いまま作ってもいいのかなど、梅干し作りの疑問にお答えします。
梅干しを干す理由を詳しく解説!
スーパーで買ってくるだけだと、塩漬けにされているだけで干されているイメージがあまりない梅干し。
でも梅干しというだけあって、生産工程には夏の土用の時期に梅を干す「土用干し」と呼ばれる作業があります。
では、土用干しは何のためにあるんでしょうか?
土用干しには以下の効果があります。
- 日光に当てて梅を殺菌することで、保存性が高まる
- 適度に水分を飛ばすことで、実がねっとり柔らかくなる
- 余分な水分が抜けて実が引きしまり、色が鮮やかになる
この中でも最も重要なのが殺菌です。
天日による殺菌で保存性が大幅に伸びるので、何年物といった梅干しができるんです。
でも、保存性を伸ばしたいからといって土用干しを何日もすると、梅の水分が抜けすぎて塩味のきつい梅干しになってしまうので注意が必要です。
なので、土用干しは夏の土用の時期の連続した晴天の3日間となっているんですね。
ちなみに、最初の梅の50~60%程度の重さになっているのが、土用干し終了の目安となります。
スーパーで梅を売っている時期や梅の選び方などは下の記事で紹介しているので、参考にしてくださいね。
梅干しには梅を干さない作り方もある!
梅干しに土用干しが大切だということを紹介しましたが、実際に3日間干すとなるとちょっと面倒なのも事実です。
梅を朝に広げて日中に何度か裏返したり、太陽の動きに合わせて日当たりがいい場所に移動する必要があるなど、仕事などで外出していては難しいこともいろいろあります。
実は、梅干を干さないで作る方法もあるんです。
実際は干していないので梅干しではなく、「梅漬け」と呼ばれます。
日光で殺菌しないので塩分を高くする必要があり、昔ながらのしょっぱい梅干しの味に仕上がります。
作り方は梅干しと同様で土用干ししないだけですが、塩分は梅の重量の18%以下で作るとカビが生えやすくなると言われているので、通常20%程度で漬けます。
梅干しは青いままでも作れる?
柔らかい果皮に包まれたねっとりとした肉厚の果肉。
基本的に梅干しは黄色く熟した梅を使って作ります。
青い梅を漬けると皮や実が硬いままで美味しい梅干しにはなりません。
また、塩漬けにしても水分の出が悪いので、梅酢の上りが悪く失敗しやすいです。
なので、まだ黄色く熟していない場合は追熟を行いましょう。
追熟といっても難しいことはなく、梅を袋から出して新聞紙にくるんで2、3日日陰に置いておくだけで黄色く熟してきますよ。
小梅の場合は、青いまま漬けても大丈夫です。いわゆる「カリカリ梅」ができますよ。
カリカリ梅を作りたい時は、まだ青い小梅を使いましょう。
先ほども書きましたが、そのままだと水分が出にくいので、梅と同じくらいの重量の重石を乗せるといいですよ。
ちなみに青梅はお腹を壊すと言われていますが、これは未熟な梅にはアミグダリンという物質が多く含まれているからです。
アミグダリンは体内で分解されると、毒性の強い青酸化合物に変化してしまうんです。
このアミグダリンは梅が成熟するにつれてどんどん減少し、また梅を塩に漬けたり加熱することで減少させることができます。
なので、青い梅を生で食べると危険ですが、塩で漬けてしまえば心配ありませんよ。
下の記事では、疲労回復や老化防止効果が期待できる梅干しのはちみつ漬けについて紹介しています。
良かったら参考にしてくださいね。
まとめ
今回、梅干しはどうして梅を干すのか、また青い梅でも梅干しができるのかなどについて紹介しました。
梅干しを干すのは日光で殺菌して保存期間を伸ばしたり、皮を柔らかくしたりするためです。
土用干しをしない干さない梅干しは「梅漬け」と呼ばれ、塩分を高めにするのでしょっぱい味になります。
また、青梅は皮や果肉が硬い梅干しになるので、通常の梅干しを作る時には黄色く熟した梅を使いましょう。
カリカリ梅を作りたい時は青い小梅を使って、重石をして漬けるとうまくできますよ。
とりあえず、土用干しをしない梅漬けからチャレンジしてみるのも悪くないですね。